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育休・産休

2025年4月新設|出生後休業支援給付金:パパ・ママとも14日以上で手取り10割

施行日: 2025-04-01厚生労働省公式案内 →

ぼくは総務担当の山田。先日、育休から復帰した同僚から「2025年4月から新しい給付金が始まったらしいよ」と聞いて、慌てて調べ始めた。出生後休業支援給付金。名前だけ聞くと何のことかよくわからないけど、どうやら育休中の手取りが実質10割になるという話で、総務として知っておかなきゃいけない制度らしい。社労士の木村先生に聞いてみた。

出生後休業支援給付金って何ですか?

山田
木村先生、「出生後休業支援給付金」ってよく聞くようになったんですけど、これって何なんですか?
木村先生
2025年4月1日から新設された給付金ですよ。端的に言うと、パパとママが赤ちゃんが生まれた直後の一定期間に、両方とも14日以上の育児休業を取得した場合、これまでの育児休業給付金にプラスして支給される上乗せ給付です。
山田
上乗せ給付!どのくらい上乗せされるんですか?
木村先生
育児休業給付金って、休業開始から180日までは賃金の67%が支給されますよね。それに今回の出生後休業支援給付金が13%上乗せされて、合計80%相当になるんです
山田
80%でも結構大きいですね。でも「手取り10割」って聞いたんですけど?
木村先生
そこが肝心なところで(笑)。育児休業中って、社会保険料が免除されて、雇用保険料もかからなくて、給付金は非課税なんですよ。だから手元に残るお金で計算すると、給付率80%でも手取りベースではほぼ10割相当になるんです。
山田
ほんとに?!それはすごいですね。
木村先生
ただし、休業開始時賃金日額に上限があります。2025年8月1日時点で1日16,110円が上限で、毎年8月1日に改定されます。給与が高い方はこの上限に引っかかって、実際の手取りが10割に届かないことがあります。
山田
なるほど、上限があるんですね。それは知っておかないといけない。具体的に誰が対象なのか、もう少し詳しく教えてもらえますか?

支給要件:誰が対象になるの?

出生後休業支援給付金 給付率イメージ(父・母の育休期間と給付率の構成)

木村先生
支給要件は大きく2つに分かれます。まず「本人(被保険者)側の要件」と「配偶者側の要件」です。
山田
本人側はどんな要件ですか?
木村先生
雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者が、対象期間内に、同一の子について産後パパ育休(出生時育児休業)または育児休業を通算14日以上取得していることです。
山田
対象期間って?
木村先生
父親の場合は「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」まで。要は生後8週間以内に取らないといけない、ということですね。
山田
ほんとに?産後8週間以内に14日!それはなかなか急ぎですね。
木村先生
そうなんです。だから会社の担当者が早めに案内することが重要です。「そんな制度があったとは知らなかった」では遅くなりますよ。
山田
で、配偶者側の要件は?
木村先生
配偶者(主に父親側が申請する場合は母親)も、同じ対象期間に通算14日以上の育児休業を取得していることが求められます。ただし、以下の場合は配偶者の育休取得を要件としません。
配偶者の育休を要件としない7つのケース
  • ケース1: 配偶者がいない(行方不明含む)
  • ケース2: 配偶者が子と法律上の親子関係がない
  • ケース3: 配偶者から暴力を受け別居中
  • ケース4: 配偶者が無業者(専業主婦・主夫)
  • ケース5: 配偶者が自営業者・フリーランス
  • ケース6: 配偶者が産後休業中(母親が育休を取れない状態)
  • ケース7: 上記以外の理由で配偶者が育休をできない場合
山田
えっ、配偶者が専業主婦でも対象になるんですか!
木村先生
そうなんです。「共働き世帯の制度でしょ」と思い込んでいる方が多いんですが、配偶者が専業主婦・主夫の場合も対象になります。その場合、課税証明書等で配偶者が無業者であることを証明する書類の添付が必要です。
山田
それは知らなかった。自営業の奥さんや旦那さんも同様に?
木村先生
同様です。雇用保険の被保険者でない方(自営業、フリーランス)も「配偶者の育休を要件としない場合」に該当するので、本人が14日以上育休を取れば支給対象になります。
山田
わかりました。で、この支給要件、2025年4月1日より前から育休を取っている人はどうなるんですか?
木村先生
2025年4月1日より前から育休を継続している方の場合は、「子の出生日または出産予定日のうち遅い日」の部分を「2025年4月1日」として要件を確認します。つまり、施行前からの育休も対象になり得るんですよ。
山田
それは申請を忘れてた方に朗報ですね!じゃあ、次に支給額を詳しく教えてもらえますか?

支給額はいくら?計算のしかた

項目内容
支給額計算式休業開始時賃金日額 × 支給日数(最大28日)× 13%
育休給付金との合計給付率67%(育休給付金)+ 13%(出生後休業支援給付金)= 80%
手取りベース換算社会保険料・雇用保険料免除・非課税のため実質10割相当
賃金日額の上限16,110円(2025年8月1日時点、毎年8月1日改定)
支給日数の上限最大28日(対象期間内の休業取得日数が上限)
山田
賃金日額って何を使うんですか?
木村先生
同一の子に係る最初の出生時育児休業または育児休業の開始前直近6か月間に支払われた賃金の総額を180で割った額です。育児休業給付金の計算と同じ賃金日額を使います。
山田
なるほど、同じ計算ベースなんですね。具体的な計算例を出してもらえますか?
木村先生
月収30万円の方を例にすると、賃金日額はざっくり30万円×6か月÷180=1万円。育休28日取った場合の出生後休業支援給付金は1万円×28日×13%=36,400円が追加で支給される、という計算になります。
山田
月1〜2万円くらいプラスになる感じですね。
木村先生
そうですね。上限の日額16,110円で計算すると、28日分で最大約58,800円の上乗せになります。育休給付金と合わせると、28日分で合計178,000円超になる可能性もありますよ。
山田
それはありがたい金額ですね。でも支給日数が「最大28日」というのは?
木村先生
出生後休業支援給付金の対象期間(生後8週以内等)における、出生時育児休業給付金または育児休業給付金が支給される休業の取得日数が上限です。就労した日はカウントされません。産後パパ育休は最大28日間取れるので、フル活用すれば28日分を受け取れます。
山田
就労日はカウントされないんですね。あと、育休給付金が不支給になった日はどうなりますか?
木村先生
就労状況や賃金支払状況によって育休給付金が不支給になった場合、その日は出生後休業支援給付金も支給されません。あくまで育休給付金に上乗せされる給付ですので。
山田
わかりました。じゃあ実際どうやって申請するんか教えてもらえますか?

手続きの流れ:事業主はどうすればいい?

出生後休業支援給付金 申請の流れ(事業主からハローワークへの申請フロー)

山田
実際の申請は誰がするんですか?
木村先生
原則として事業主が被保険者を経由してハローワークに申請します。育児休業給付金の申請と一緒に行うことができるので、別々に2回手続きするわけではありません。
手順
  1. 従業員が育児休業開始前に育休の申出(育児・介護休業法に基づく手続き)
  2. 事業主が「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」をハローワークに提出
  3. 「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書」を記入
  4. 申請書の28欄(配偶者の被保険者番号)または29欄(配偶者の育休開始年月日)を記入
  5. 配偶者の育休確認書類を添付(住民票の写し等)を添付して管轄ハローワークに提出
  6. ハローワークが配偶者の育休取得状況を確認し、給付金支給決定
山田
申請書の28欄と29欄というのは?
木村先生
申請書は育休給付金のものと共通で、配偶者が雇用保険被保険者の場合は28欄に配偶者の被保険者番号を記入します。配偶者が公務員の場合は29欄に配偶者の育休開始年月日を記入して、育休を取得したことが確認できる書類(任命権者からの通知書や共済組合の支給決定通知書等)を添付します。
山田
配偶者が「配偶者の育休を要件としない場合」に該当する場合は?
木村先生
その場合は申請書の31欄(配偶者の状態)に該当番号を記入して、状態を確認できる書類を添付します。専業主婦・主夫の場合は直近の課税証明書が必要です。
山田
なるほど、要件によって添付書類が違うんですね。
申請時の添付書類まとめ
  • 共通: 住民票の写し(配偶者との関係確認用)
  • 配偶者が雇用保険被保険者: 配偶者の被保険者番号(ハローワークが確認)
  • 配偶者が公務員: 任命権者からの育休通知書または共済組合の支給決定通知書の写し
  • 配偶者が無業者・自営業者: 直近の課税証明書(収入なしの証明)
  • 配偶者が産後休業中: 産後休業の状態を確認できる書類
山田
「初回の育休給付金を受け取った時点では要件を満たしていなかったが、その後配偶者が育休を取った」という場合はどうするんですか?
木村先生
その場合は後から別途申請できます。ただし、育休給付金が支給された後に申請してください、という流れになります。要件を満たした段階でハローワークに相談してみてください。
山田
後から申請できるのはありがたいですね。じゃあ次に実務上の注意点も教えてもらえますか?

実務上の注意点と総務担当者がやること

山田
総務担当として、どんなことに気をつけるべきですか?
木村先生
一番大事なのは早めのアナウンスです。生後8週間という期間制限があるので、出産前から「こんな給付金があるよ」と従業員に伝えておかないと間に合わなくなります。
山田
確かに。生まれてから慌てて調べても遅い場合もありそうですね。
木村先生
そうなんです。特に父親側が育休を取るかどうか迷っているケースで、「給付金もあるし、取得しよう」という後押しになれば。産後パパ育休(出生時育児休業)は28日まで取れますから、フル活用してほしいですね。
⚠️ 見落としやすい注意点
  • 上限額に注意: 賃金日額の上限は16,110円(2025年8月1日時点)。高収入者は「手取り10割」にならない場合がある
  • 就労日は支給対象外: 産後パパ育休中に就業した日は支給日数にカウントされない
  • 申請タイミング: 育休給付金の申請と同時、または育休給付金支給後に別途申請
  • 書類の準備: 配偶者の状況に応じた添付書類が異なる。ケースごとに確認が必要
山田
ところで、この制度が導入された背景ってどういうことなんですか?
木村先生
背景は少子化対策と男性の育休取得促進です。2024年の厚労省調査で、男性の育休取得率は30.1%(女性は84.1%)と初めて3割を超えましたが、まだまだ低い。政府は2030年までに85%という目標を立てています。
山田
30%から85%って相当大きな目標ですね。
木村先生
だからこそ経済的なメリットを大きくして後押ししようということで、この制度が生まれました。夫婦で育休を取ることへの金銭的なハードルを下げることが目的ですね。
山田
ちなみに、関連する制度も整理しておきたいんですが。

関連制度との比較

制度名支給対象主な支給額根拠・窓口
出生後休業支援給付金父・母(雇用保険被保険者)賃金日額×28日×13%ハローワーク
出生時育児休業給付金父・母(産後8週内の育休)賃金日額×日数×67%ハローワーク
育児休業給付金父・母(1歳未満の育休)賃金日額×日数×67%(180日超は50%)ハローワーク
育児時短就業給付金時短勤務復帰者賃金額×10%(上限あり)ハローワーク
産前産後・育児休業中の社会保険料免除休業中の被保険者社会保険料全額免除年金事務所
山田
なるほど、育休関係の給付金って複数あるんですね。育児休業給付金の申請は別途必要ですが、出生後休業支援給付金とセットで申請できるのは効率的ですね。
木村先生
そうです。同一の申請書で一緒に申請できるのが実務上助かります。会社側の事務負担を増やさないよう設計されていますよ。
山田
ところで産前産後休業や育休中って社会保険料が免除されると聞きましたが、この給付金とも組み合わせられますか?
木村先生
もちろんです。社会保険料免除の申出書は年金事務所に提出、給付金の申請はハローワーク、と窓口が分かれていますが、どちらも受けられます。組み合わせることで経済的な保護が手厚くなります。
山田
わかりました。まとめの表を作ってもらえますか?

基本情報まとめ

項目内容
制度名出生後休業支援給付金
施行日2025年4月1日
管轄省庁厚生労働省
申請窓口ハローワーク(公共職業安定所)
支給要件本人が対象期間内に通算14日以上育休取得、かつ配偶者も同期間に14日以上育休取得(または配偶者要件に該当しない場合)
支給額賃金日額×支給日数(上限28日)×13%
支給日数の上限28日
賃金日額の上限16,110円(2025年8月1日時点)
育休給付金との合計給付率80%(手取りベースで実質10割相当)
公式案内ページハローワークインターネットサービス
山田
制度の全体像がよくわかりました。最後に、総務担当として今すぐやるべきことを教えてもらえますか?
木村先生
3つあります。まず、育休を取得予定の従業員への早めのアナウンス。次に、申請書類の準備(配偶者の状況を事前に確認しておく)。そして、ハローワークへの申請を育休給付金と同時に行えるよう体制を整えること。この3つを押さえておけばOKです。
山田
ありがとうございます!これで自信を持って従業員に案内できそうです!

よくある質問

山田
ここまでの話で疑問が出てくる方も多そうなので、よくある質問もまとめてもらえますか?
木村先生
もちろんです。一番多い質問から答えていきましょう。
山田
「配偶者が産後休業中の場合も対象になるんですか?」という質問が来そうです。
木村先生
はい、配偶者が産後休業中の場合は「配偶者の育休を要件としない場合」に該当します。母親が産後休業(産後8週間)を取得している間に、父親が育休を取得すれば出生後休業支援給付金の対象になります。
山田
「2025年4月より前に生まれた子の父親も今から申請できますか?」という質問も来そうですね。
木村先生
2025年4月1日より前から育児休業を継続している方は対象になる可能性があります。対象期間の終了日(子の出生日等から8週間or16週間)が2025年4月1日以降であれば、申請できますので、ハローワークに確認してみてください。
山田
「申請を忘れていた場合、後から申請できますか?」というのも気になります。
木村先生
育休給付金の申請後であれば、後から別途申請できます。ただし、時効などの手続き上の期限がありますので、気づいた時点でなるべく早めにハローワークに相談してください。

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