給付・手当
特定受給資格者・特定理由離職者の判定と失業給付の条件
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先日、うちの会社を辞めた同僚の話を聞いて、ぼくはちょっとびっくりしてしまった。会社都合で解雇された人と、自分で「辞める」と言い出した人では、失業給付の金額も期間も、あれほど違うとは思っていなかったんだ。「特定受給資格者」と「特定理由離職者」という言葉、聞いたことはあっても実際の判定基準がどこで分かれるのか、正直なところ曖昧だった。そこで社労士の木村先生に話を聞いてみた。
「会社都合」と「自己都合」でそんなに違うんですか?
山田
木村先生、ちょっと聞いてもいいですか。うちの同僚が会社の都合で解雇されたんですけど、「特定受給資格者になれる」って言ってて。自分で辞めた場合と何が違うんですか?
木村先生
ほんとに大きく違うんですよ、山田さん(笑)。雇用保険の基本手当、いわゆる失業給付には、「特定受給資格者」と「特定理由離職者」という2つの優遇カテゴリーがあって、一般の自己都合退職とは受給要件も給付日数も別枠になっています。
山田
別枠って、具体的にどんなところが違うんですか?
木村先生
大きく3つのポイントがあります。まず「被保険者期間の要件が緩い」こと。通常の自己都合退職は、離職前の2年間に被保険者期間が12か月以上必要なんですが、特定受給資格者と特定理由離職者(範囲の1に該当する方)は、離職前の1年間に6か月以上あればOKです。
山田
えっ、半分でいいんですか!
木村先生
そうなんです。次に「給付日数が多い」こと。一般受給者は最大150日なんですが、特定受給資格者は最大330日になることがあります。これはざっくり2倍以上の差ですね。そして3つ目が「給付制限がない」こと。通常の自己都合退職は、雇用保険法の改正で2025年4月から原則1か月の給付制限期間がありますが、特定受給資格者にはそれがまったくかかりません。
山田
給付制限って、その間はお金もらえないってやつですよね。それがゼロになるのは大きいですね。
木村先生
ハローワークに行った翌日から7日間の待機期間さえ過ぎれば、すぐに給付が始まるんです。再就職の準備をする時間的余裕なく職を失った方に、国がそれだけ手厚い保護をしているということですね。じゃあ次に、どんな場合が「特定受給資格者」になるのか見ていきましょう。

「特定受給資格者」に認定されるケースとは?
山田
どんな辞め方をしたら「特定受給資格者」になれるんですか?
木村先生
ハローワークの定義では、「倒産・解雇等により再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた方」が特定受給資格者です。大きく「倒産等による離職」と「解雇等による離職」の2種類に分かれます。
山田
倒産はわかるんですが、「等」ってどういうものが含まれるんですか?
木村先生
倒産系では、まず会社が破産・民事再生・会社更生などの手続きをしたケース。それから、1か月に30人以上の大量離職が予定されていて届出がなされた場合や、事業所の廃止・移転で通勤困難になった場合も含まれます。
山田
なるほど。じゃあ解雇系は?
木村先生
解雇系はけっこう幅広いんですよ。まず普通の解雇(自分に重大な責任がある解雇を除く)、それから採用時に示された労働条件と実態が著しく違った場合、賃金の3分の1超が未払いだった場合、賃金が従来比85%未満に低下した場合などです。
山田
ちょっと待って。賃金が85%未満に下がったら解雇じゃなくても特定受給資格者になれる?
木村先生
そうなんです。ここが重要ポイントで、自分から辞めた場合でも、会社側の事情が原因なら特定受給資格者になれることがあるんです。あとはハラスメントや、残業時間が月100時間を超えるような過重労働が理由の離職、事業主からの退職勧奨なども対象です。
特定受給資格者になる主な離職理由(ハローワーク公式)
- 倒産等による離職: 破産・民事再生・会社更生・手形取引停止等
- 大量雇用変動: 1か月に30人以上の離職予定の届出があった場合
- 事業所廃止・移転: 通勤困難となったことによる離職
- 解雇: 自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く
- 労働条件の著しい相違: 採用時の明示条件と実態が大きく異なった場合
- 賃金の大幅低下: 従来比85%未満への引き下げ(予見不能だった場合)
- 長時間残業: 直前6か月間に連続3か月で月45時間超等の時間外労働
- ハラスメント: パワハラ・セクハラ等への雇用管理上の措置不備
- 退職勧奨: 事業主から直接・間接に退職を勧められた場合
山田
退職勧奨も入るんですね。自分では辞めると言ったけど実は会社に言われて、みたいな場合も対象になると。
木村先生
そういうことです。ただし「従来から恒常的に設けられている早期退職優遇制度に自分から応募した場合」は除かれます。制度に乗っかった場合は、自分の意思が優先されるわけです。では次に「特定理由離職者」について説明しますね。
「特定理由離職者」はどんな場合に認定される?
山田
特定理由離職者って、特定受給資格者とどう違うんですか?
木村先生
特定理由離職者は、「やむを得ない自己都合」で辞めた方をカバーする制度です。特定受給資格者の範囲には入らないけど、完全な自己都合でもない、という位置づけですね。
山田
「やむを得ない」って具体的には?
木村先生
2種類に分かれています。まず1つ目は「期間の定めのある労働契約(有期雇用)が満了して、本人は更新を希望したけど更新されなかった場合」です。雇い止めというやつですね。ただし、3年以上勤めて更新されなかった場合などは特定受給資格者の方に入ります。
山田
雇い止めは特定理由離職者になるんですね。それは知りませんでした。
木村先生
2つ目のグループは「正当な理由のある自己都合退職」です。体力不足・病気・けが、妊娠・出産・育児、親の介護のために離職を余儀なくされた場合、配偶者の転勤に伴う別居回避のための引っ越し、交通機関の廃止・大幅変更で通勤が困難になった場合などが含まれます。
山田
ほんとだ、「正当な理由」があれば自分で辞めても優遇されるんですね。
木村先生
そうです。ただし特定理由離職者には2種類あって、給付の扱いが異なります。雇い止め(範囲の1)に該当する方は、離職日が平成21年3月31日から令和9年3月31日の間なら、給付日数が特定受給資格者と同じになります。一方、正当な理由ある自己都合(範囲の2)の方は、給付日数は一般受給者と同じで、給付制限がかからないという優遇だけになります。
特定理由離職者になる主な離職理由
- 雇い止め(範囲1): 有期労働契約が満了し、更新希望したが更新されなかった場合
- 体力・疾病(範囲2): 体力不足・心身障害・疾病・負傷・視力低下等による離職
- 妊娠・出産・育児(範囲2): 離職後に受給期間延長措置を受けた場合
- 家族の介護(範囲2): 父母の死亡・疾病・負傷等で扶養が必要になった場合
- 配偶者との別居困難(範囲2): 別居生活の継続が困難になった場合
- 通勤困難(範囲2): 結婚・転勤・交通機関廃止等で通勤が不可能・困難になった場合
- 希望退職(範囲2): 企業整備による人員整理等で希望退職者の募集に応じた場合
山田
なんか、自分が対象になるかどうかって、思ってたより複雑ですね。どうやって判断すれば?
木村先生
最終的には、ハローワークが離職票の内容と事業主・本人の双方から事情を聞いて判定します。なので離職票をもらったら、そこに書かれた離職理由コードをよく確認することが大事です。では次に、実際の給付日数がどう変わるか見てみましょう。

給付日数は具体的にどれだけ変わるの?
山田
じゃあ実際の給付日数の表を見せてもらえますか?
木村先生
特定受給資格者(および特定理由離職者の雇い止め該当者)の場合、年齢と被保険者期間によってこれだけの差がでます。
| 被保険者期間 | 30歳未満 | 30〜35歳未満 | 35〜45歳未満 | 45〜60歳未満 | 60〜65歳未満 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1年未満 | 90日 | 90日 | 90日 | 90日 | 90日 |
| 1年以上5年未満 | 90日 | 120日 | 150日 | 180日 | 150日 |
| 5年以上10年未満 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | 180日 |
| 10年以上20年未満 | 180日 | 210日 | 240日 | 270日 | 210日 |
| 20年以上 | — | 240日 | 270日 | 330日 | 240日 |
山田
うわ、最大330日って約11か月分ですか。
木村先生
対して一般受給者(通常の自己都合退職)はこちらです。
| 被保険者期間 | 全年齢共通 |
|---|---|
| 10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
山田
全然違いますね(笑)。たとえば45歳で15年勤めた人だと、特定受給資格者なら270日なのに、一般自己都合だと120日か。2倍以上の差ですね。
木村先生
そうなんです。ましてや給付制限の有無も合わさると、受給総額には相当な差が出ます。1日8,000円の基本手当日額だと仮定すると、270日分で216万円ですが、120日だと96万円。差額120万円以上になります。
山田
それはでかすぎる。ちゃんと申告しないともったいないですね。
木村先生
だからこそ、離職票の離職理由コードをきちんと確認することが大事なんです。次に、手続きの流れを確認しておきましょう。
ハローワークでの手続きの流れ
山田
実際に手続きするときはどうすればいいんですか?
木村先生
ざっくり流れはこうです。
手順
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離職票を受け取る(退職から10日以内): 会社から雇用保険被保険者離職票(1・2)を受け取ります。離職票2の「具体的事情記載欄」と「離職理由コード」を確認しましょう。
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必要書類を揃える: 離職票1・2、マイナンバーカードまたは本人確認書類、写真2枚(3cm×2.5cm)、普通預金通帳、印鑑を準備します。
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ハローワークに来所して求職申込み: 住所を管轄するハローワークに来所し、求職登録と受給資格の申請を同時に行います。
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7日間の待機期間: 申請日から7日間は無条件の待機期間です(給付制限とは別)。
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「特定受給資格者・特定理由離職者」の認定: ハローワークが離職理由を調査し、認定結果が通知されます。事業主側に確認が行くこともあります。
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初回認定日: 待機期間終了後の認定日から給付が始まります(特定受給資格者は給付制限なし)。
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4週間ごとの認定日: 以降は原則4週間に1回、失業認定を受けながら受給します。
山田
会社が「自己都合」と書いた離職票を出してきて、本当は会社都合なのに、ってことはありますか?
木村先生
残念ながらあります。事業主が記載した離職理由に異議がある場合は、ハローワークでその旨を申し出ることができます。離職票に「異議あり」と記載できますし、ハローワークが調査して実態に即した離職理由に修正されることもあります。
山田
それは知っておいてよかった。黙って「自己都合」で通してしまったら損しますよね。
木村先生
損しますよ。給付日数で100日以上差が出ることもありますから、泣き寝入りしないでほしいです。また、認定に不満がある場合は都道府県労働局に審査請求する権利もあります。
受給期間と基本手当日額の計算
山田
そもそも、給付される金額ってどうやって決まるんですか?
木村先生
「基本手当日額」は、離職前の6か月間に毎月決まって支払われた賃金の合計を180で割った「賃金日額」の、おおよそ50〜80%です。賃金が低い方ほど率が高くなる設計になっています。
山田
幅がありますね。上限はあるんですか?
木村先生
あります。令和7年8月1日時点の上限額は年齢区分ごとにこちらです。
| 年齢区分 | 基本手当日額の上限 |
|---|---|
| 30歳未満 | 7,255円 |
| 30歳以上45歳未満 | 8,055円 |
| 45歳以上60歳未満 | 8,870円 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,623円 |
山田
45歳以上60歳未満が一番高いんですね。
木村先生
そうです。受給期間については、原則として離職翌日から1年間(所定給付日数330日の方は1年と30日)が受給期間です。ただし、給付日数が多い特定受給資格者でも、この受給期間の範囲内でしか受給できません。病気・けが・育児等で30日以上働けない状態が続いた場合は、最長3年間まで延長申請できます。
山田
延長申請は知っておいたほうがいいですよね。妊娠・出産でしばらく求職できない方とか。
木村先生
延長申請は、働けない状態が続いた翌日から申請できます。手続きを先延ばしにしがちですが、延長後の受給期間の最後の日までに申請すればいいので、早めの申請が安心です。次は実務上の重要注意点を確認しておきましょう。
⚠️ 受給期間延長を忘れずに
- 妊娠・出産・育児・病気・けがで30日以上就職できない場合、受給期間を最長3年延長できます
- 申請はハローワーク(代理人・郵送可)で行います
- 給付制限がない特定受給資格者でも、受給期間内に受けられる給付日数には上限があります
- 受給期間を延長しないと、せっかくの給付日数が無効になることがあります
実務上の注意点とよくある落とし穴
山田
実際にやってみて「しまった!」ってなるミスはありますか?
木村先生
多いのは「離職票をもらわずに離職してしまう」ケースです。本人が「もらわなくていいです」と言ってしまうとハローワークでの手続きができなくなります。雇用保険被保険者証と離職票の2枚は必ず受け取ること。
山田
えっ、断ることできるんですか。
木村先生
法的には事業主に作成・交付義務があります。ただ現実として「いらないです」と言ってしまう方もいて。離職後に「やっぱり必要」となっても、会社が遡って作成してくれるケースもありますが、ハローワーク経由で請求することになります。
山田
離職票の「離職理由コード」って、どこで確認できるんですか?
木村先生
離職票2の下部に「離職理由」の欄があって、そこに事業主が選んだコードと、本人が確認した旨の署名欄があります。退職時に離職票に署名する前に、離職理由コードを必ず確認することを強くお勧めします。コードによって、一般受給者か特定受給資格者か特定理由離職者かが変わってきます。
山田
焦って署名してしまいそう…。
木村先生
そうなんです(笑)。サインした後でも異議申し立てはできますが、最初からきちんと確認しておくに越したことはないです。もう一つ落とし穴が「求職活動の実績要件」です。失業認定日ごとに求職活動の実績が必要です。特定受給資格者だからといって、就職活動をしなくていいわけではないんです。
⚠️ 離職票の取り扱いで注意すること
- 退職前に「離職票不要」という書類にサインしない(後で必要になることがほとんど)
- 離職票2の「離職理由」欄のコードを署名前に必ず確認する
- 離職理由に異議があればハローワーク来所時に申し出る(「異議あり」と記載)
- 離職票は退職から10日以内に事業主が作成・交付する義務がある
2025年の法改正で変わったこと
山田
最近、給付制限の期間が変わったって聞いたんですが。
木村先生
そうなんです。2025年4月1日から施行された雇用保険法の改正で、自己都合退職の場合の給付制限期間が原則2か月から原則1か月に短縮されました。以前は会社都合と自己都合の差がもっと大きかったんですが、少し縮まった形です。
山田
なんで短縮されたんですか?
木村先生
政府の方針として「失業給付の早期受給を促し、労働移動を円滑にする」という目的があります。終身雇用が当たり前でなくなってきた時代に、会社を辞めてキャリアチェンジしようという人を後押しする改革です。
山田
今は1か月の給付制限なんですね。特定受給資格者は依然ゼロですか?
木村先生
特定受給資格者は引き続き給付制限ゼロです。一方、通常の自己都合退職は原則1か月ですが、「5年間のうち2回目以降の離職」の場合は3か月に戻ります。頻繁に転職する方には注意が必要です。
山田
あと、2025年以降の別の変更点はありますか?
木村先生
雇用保険の適用拡大も動いています。2028年10月からは週10時間以上勤務するパートタイム・アルバイトも雇用保険の適用対象になる予定です。現状は週20時間以上が加入要件ですが、それが週10時間以上に拡大されます。詳しくは雇用保険の適用拡大(2028年10月)をご覧ください。
| 変更内容 | 改正前 | 改正後(2025年4月〜) |
|---|---|---|
| 自己都合退職の給付制限 | 原則2か月 | 原則1か月(5年2回目以降は3か月) |
| 特定受給資格者の給付制限 | なし | なし(変更なし) |
| 受給要件(特定受給資格者等) | 1年間に6か月以上 | 1年間に6か月以上(変更なし) |
山田
少しずつ変わってるんですね。
木村先生
社会保険は毎年のように制度改正がありますから、都度最新情報を確認することをお勧めします。では最後に、まとめと基本情報テーブルを見ておきましょう。
問い合わせ先
- ハローワーク(公共職業安定所): 居住地を管轄するハローワークに直接来所してください
- ハローワーク所在地・電話番号はハローワークインターネットサービスで検索できます
- 離職理由の異議申し立ても、来所時にその場で申し出ることができます
基本情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 雇用保険 基本手当(特定受給資格者・特定理由離職者) |
| 根拠法 | 雇用保険法(昭和49年法律第116号) |
| 管轄省庁 | 厚生労働省 |
| 実施機関 | ハローワーク(公共職業安定所) |
| 給付期間 | 特定受給資格者:最大330日、一般:最大150日 |
| 給付制限 | 特定受給資格者:なし、通常自己都合:原則1か月(2025年4月改正後) |
| 受給期間 | 原則として離職翌日から1年間(所定給付日数による延長あり) |
| 被保険者期間要件 | 特定受給資格者等:1年間に6か月以上、一般:2年間に12か月以上 |
| 問い合わせ先 | 居住地を管轄するハローワーク |
| 公式情報 | ハローワークインターネットサービス |
よくある質問
山田
ちょっとまとめとして、よくある疑問を聞かせてください。会社から「円満退職」を求められて自分で「辞めます」と言った場合でも、実態が退職勧奨なら特定受給資格者になれますか?
木村先生
なれる場合があります。ハローワークは実態を調査しますから、退職に至った経緯を詳しく説明することが大事です。事業主からのメールや面談記録などがあれば持参するといいでしょう。
山田
離職票が手元に届くまで時間がかかる場合はどうすればいいですか?
木村先生
「雇用保険被保険者資格喪失確認通知書」があれば、離職票なしでも仮申請ができます。また、退職後10日以上経っても会社から離職票が届かない場合は、直接ハローワークに相談することで会社への督促を促してもらえます。
山田
自営業を始めようと考えている場合は失業給付を受けられないですか?
木村先生
原則として、「就職または自営業開始の意思と能力がある状態」が受給の前提なので、開業の準備を進めながらの受給は認められません。ただし、離職後に事業を開始した方向けに受給期間の特例制度があります。事前にハローワークに相談することをお勧めします。
山田
特定受給資格者として認定を受けた後でも、再就職したら給付は終わりになりますか?
木村先生
所定給付日数の3分の1以上を残して再就職した場合は「再就職手当」が支給されます。給付日数が多い特定受給資格者のほうが再就職手当も多くなりやすいので、早めの再就職も損ではありませんよ。雇用保険被保険者資格取得届の関連で、新しい会社での再加入手続きもお忘れなく。
山田
今日はありがとうございました。離職票をちゃんと確認することと、異議申し立ての権利があることが特に勉強になりました。
木村先生
退職はただでさえ大変な時期ですから、給付の取りこぼしがないよう、今日の話を参考にしてほしいです。関連する制度として、雇用保険被保険者資格喪失届と離職票も合わせてご確認ください。また、離職後に高年齢雇用継続給付を受ける可能性がある方は雇用保険 高年齢雇用継続給付金も参考にしてみてください。