給付・手当
在職老齢年金と高年齢雇用継続給付|65歳で変わる支給停止の順序
厚生労働省公式案内 →
山田
木村先生、うちの会社にも63歳で再雇用中の社員がいるんですが、年金をもらいながら給料をもらって、さらに雇用保険から高年齢雇用継続給付金まで受け取ってるらしいんです。これって同時にもらえるものなんですか?
木村先生
はい、条件を満たせば3つとも同時に発生しますよ。ただし年金だけは無条件に満額もらえるわけじゃなくて、給料の額に応じて在職老齢年金の仕組みで一部が止まり、さらに高年齢雇用継続給付金を受け取っていると、そこにもう一段階、追加の支給停止がかかるんです。
山田
え、支給停止が二重にかかるってことですか! それは知らなかったです。
木村先生
そうなんです。しかも「先にどちらを計算するか」という順序にもルールがあって、これを勘違いすると給与担当者が本人に説明するときに数字が合わなくなります。今日はその計算順序を、65歳の前後でどう変わるかも含めて整理していきましょう。
高年齢雇用継続給付金とはどんな制度か
山田
まず前提として、高年齢雇用継続給付金ってどういう人がもらえるものなんですか?
木村先生
雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の一般被保険者で、60歳到達時と比べて賃金が75%未満に下がった状態で働き続けている方が対象です。定年後の再雇用で給料がガクッと下がるケース、まさにこれですね。
山田
賃金が下がった分を補填してくれる制度ってことですね。支給される金額はどう決まるんですか?
木村先生
ここが2025年4月1日に大きく変わったポイントです。60歳到達日が2025年3月31日以前の方は経過措置として従来どおり賃金の最大15%、2025年4月1日以降に60歳に到達する方は最大10%に引き下げられました。厚生労働省が「雇用保険法等の一部を改正する法律(令和2年法律第14号)」の施行として明確に告知しています。
山田
15%と10%、経過措置の対象かどうかで受け取る額が結構変わりますね。判定基準はやっぱり60歳の誕生日ですか?
木村先生
そうです。雇用保険での「60歳になる日」は60歳の誕生日の前日として扱われるので、そこがちょうど2025年3月末をまたぐ社員がいたら要注意です。給与担当としては、対象社員の生年月日を確認して、どちらの支給率が適用されるか最初に押さえておいてください。
高年齢雇用継続給付金の支給率まとめ
- 60歳到達日が2025年3月31日以前の方: 経過措置により賃金の最大15%が支給される(賃金低下率61%以下で上限)
- 60歳到達日が2025年4月1日以降の方: 新ルールにより賃金の最大10%が支給される(賃金低下率64%以下で上限)
- 支給対象期間: 60歳到達月から、65歳に到達する日が属する月まで
山田
なるほど、支給率の話はわかりました。じゃあこの給付金をもらうと、年金のほうはどう影響を受けるんですか?
支給停止の計算順序:①在職老齢年金→②給付金による追加停止

木村先生
ここからが本題です。60歳台前半で在職しながら特別支給の老齢厚生年金を受けている方が、同時に高年齢雇用継続給付金を受けられるときは、支給停止の計算が2段階になります。順番に並べると、こうなります。
手順
- 在職老齢年金の支給停止額を計算する: 基本月額(年金の月額)と総報酬月額相当額(給与+賞与の月割り)の合計をもとに、通常の在職老齢年金のルールで支給停止額を出す
- 高年齢雇用継続給付金による追加の支給停止額を計算する: 標準報酬月額に、賃金低下率に応じた年金停止率(最大4%、経過措置対象者は最大6%)を掛けて算出する
- ①と②を合算し、年金の基本月額から差し引く: この合計額が実際に支給停止される年金額になる
山田
つまり在職老齢年金の計算を先に済ませてから、給付金による追加停止を上乗せするってイメージですね。
木村先生
はい、実務の説明としてはその順番で捉えるとわかりやすいです。日本年金機構も「在職による年金の支給停止に加えて年金の一部が支給停止される」という表現をしていて、まず在職による停止があり、そこに給付金による停止が加わる、という構造になっています。支給停止される年金額は、最高で標準報酬月額の4%に当たる額です(2025年3月31日以前に支給要件を満たした方は最大6%)。
山田
「加わる」ということは、①と②を足し算するということですね。①の計算だけ見ても、給付金による停止分は見えてこないってことですか。
木村先生
そのとおりです。①の在職老齢年金の支給停止は、給料と年金の合計額だけで決まります。②の給付金による停止は、標準報酬月額と賃金低下率だけで決まります。それぞれ別の材料で計算した金額を、最後に合算するというのがこの制度の設計なんです。片方だけ計算して安心してしまうミスがとても多いので、給与担当の方は両方セットで確認する癖をつけてください。
⚠️ よくある計算ミス
①の在職老齢年金の基準額だけを見て「合計額が基準額以下だから年金は全額支給される」と判断してしまうケースが目立ちます。基準額以下で①の停止額がゼロでも、高年齢雇用継続給付金を受給していれば②の追加停止は別途発生します。①がゼロだから②も発生しないというのは誤りです。
山田
基準額の話が出ましたけど、①の在職老齢年金の計算式そのものも教えてもらえますか?
在職老齢年金そのものの計算式(65万円基準額)
木村先生
老齢厚生年金を受給しながら厚生年金保険の被保険者として働いている方は、基本月額と総報酬月額相当額の合計に応じて年金が支給停止されます。2026年度の支給停止調整額(基準額)は月65万円です。この基準額は、2026年4月に施行された年金制度改正法(令和7年法律第74号)にもとづき、それまでの月51万円から引き上げられたものです。
山田
え、51万円から65万円ってかなり上がったんですね! 前はもっと厳しかったんですか。
木村先生
そうなんです。働く高齢者の手取りを増やして就労を後押しする目的で見直されました。計算式は次のとおりです。
| 基本月額+総報酬月額相当額 | 年金支給月額 |
|---|---|
| 65万円以下の場合 | 全額支給(支給停止なし) |
| 65万円を超える場合 | 基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-65万円)÷2 |
山田
基本月額と総報酬月額相当額って、それぞれ何を指すんでしたっけ?
木村先生
基本月額は加給年金額を除いた老齢厚生年金(報酬比例部分)の月額、総報酬月額相当額はその月の標準報酬月額に、直近1年間の標準賞与額の合計を12で割った額を足したものです。ここに賞与も含まれる点を見落とすと、年末に賞与を支給した月の停止額が急に変わって、本人から問い合わせが来ることがよくあります。
山田
なるほど、賞与も巻き込まれるんですね。じゃあ実際に数字を当てはめて計算してみたいんですけど。
具体例で計算してみる(試算)
木村先生
では仮のケースで試算してみましょう。あくまで仕組みを理解するための試算例です。
試算の前提(Aさん・63歳)
- 特別支給の老齢厚生年金の基本月額:90,000円
- 60歳到達時の賃金月額:300,000円
- 現在の標準報酬月額(総報酬月額相当額、賞与なしと仮定):180,000円
- 60歳到達日は2025年4月1日以降(新ルール適用対象)
山田
この場合、まず①の在職老齢年金の計算からですね。
木村先生
はい。基本月額90,000円と総報酬月額相当額180,000円を足すと270,000円です。2026年度の基準額65万円をまったく超えていないので、①の在職老齢年金による支給停止額は0円、つまり全額支給ということになります。
山田
え、①だけ見たら支給停止ゼロってことですよね。さっき言ってた「①がゼロでも②は別」ってやつだ!
木村先生
そのとおりです。次に②の計算に移ります。Aさんの賃金低下率は、標準報酬月額18万円÷60歳到達時賃金30万円で60%です。2025年4月1日以降に60歳到達した方の新ルールでは、賃金低下率が64%以下だと給付率・停止率ともに上限が適用されるので、年金停止率は標準報酬月額の4%になります。
| 項目 | 金額・数値 |
|---|---|
| 標準報酬月額 | 180,000円 |
| 賃金低下率 | 60%(64%以下のため上限適用) |
| 高年齢雇用継続基本給付金(賃金の10%) | 18,000円 |
| ②年金の追加支給停止額(標準報酬月額の4%) | 7,200円 |
| ①在職老齢年金の支給停止額 | 0円 |
| 支給停止額の合計(①+②) | 7,200円 |
| 実際に支給される年金月額 | 90,000円-7,200円=82,800円 |
山田
おお、最終的に年金は82,800円になるんですね。①がゼロだったから、支給停止額のほとんどは②の給付金による調整ってことですか。
木村先生
このケースではそうなりますね。給料がそこまで高くなければ①の停止はゼロのままで、②の停止だけが効いてくるパターンが実務ではよくあります。逆に給料が高い方は①のほうが大きく効いてくるので、ケースバイケースで確認が必要です。
山田
数字で見るとイメージがつかめました。ちなみに、経過措置の対象になる方だとこの数字はどう変わるんですか?
木村先生
いい質問ですね。同じ条件で、60歳到達日が2025年3月31日以前だったBさんのケースも試算してみましょう。
試算の前提(Bさん・63歳、経過措置対象)
- 特別支給の老齢厚生年金の基本月額:90,000円
- 60歳到達時の賃金月額:300,000円
- 現在の標準報酬月額(総報酬月額相当額、賞与なしと仮定):180,000円
- 60歳到達日は2025年3月31日以前(経過措置の対象)
木村先生
①の在職老齢年金の計算はAさんとまったく同じです。基本月額90,000円+総報酬月額相当額180,000円=270,000円で、2026年度の基準額65万円を超えていないので、①の支給停止額は0円のままです。
山田
①は同じなんですね。②の計算のほうが変わってくるんですか?
木村先生
そうです。Bさんの賃金低下率は60%で、経過措置の上限ライン(61%以下)にも収まるので、②の年金停止率は標準報酬月額の最大6%が適用されます。標準報酬月額180,000円×6%=10,800円が②の支給停止額です。
| 項目 | Aさん(新ルール) | Bさん(経過措置) |
|---|---|---|
| ①在職老齢年金の支給停止額 | 0円 | 0円 |
| ②給付金による追加支給停止額 | 7,200円(4%) | 10,800円(6%) |
| 支給停止額の合計 | 7,200円 | 10,800円 |
| 実際に支給される年金月額 | 82,800円 | 79,200円 |
山田
同じ給料・同じ年金額なのに、60歳到達日が2025年3月をまたぐだけで停止額が3,600円も違うんですね。
木村先生
はい、この差は②の年金停止率が6%か4%かの違いだけで生まれています。①の在職老齢年金の基準額はどちらも共通の65万円ルールなので、②の部分だけを比較すれば、対象社員がどちらの世代かをすぐ確認できます。
山田
ここまでは65歳になる前の話ですよね。65歳を過ぎたらどう変わるんですか?
65歳到達で何が変わるか

木村先生
ここが今日いちばん大事なポイントです。高年齢雇用継続給付金の支給対象期間は、60歳到達月から65歳に到達する日が属する月までと決まっています。65歳になると、そもそも高年齢雇用継続給付金自体が対象外になります。
山田
給付金がもらえなくなるってことは、②の追加停止も自動的になくなるってことですか?
木村先生
そのとおりです。65歳以降は、特別支給の老齢厚生年金の受給権もなくなって本来の老齢厚生年金に切り替わりますし、高年齢雇用継続給付金との調整もなくなります。以降は在職老齢年金の基準額(65万円)だけを使った単独の調整に一本化されるんです。65歳前は①+②の二段構え、65歳からは①だけ、というのが計算順序の一番の変化点になります。
山田
じゃあ65歳の誕生月を境に、給与担当が確認すべきことも変わるわけですね。
木村先生
そうです。65歳に到達した月は年金額が見直されるタイミングでもあるので、その月以降の給与明細で年金停止分の説明が変わってくることを、本人にも事前に伝えておくとトラブルになりにくいです。
⚠️ 65歳前後の混同に注意
64歳のときに②の給付金による追加停止があったからといって、65歳到達後も同じ計算式が続くわけではありません。65歳を過ぎたら②は発生しなくなり、①の基準額65万円のみで判定します。前月までの停止額をそのまま引き継いで説明すると、本人への案内が誤った内容になってしまいます。
山田
これは総務としても、65歳到達のタイミングをちゃんとカレンダーで管理しておかないといけないですね。会社側で気をつけるべきことって、他にもありますか?
会社の給与・賞与設計への影響
木村先生
はい、ここは経営側にとっても実務的なポイントです。総報酬月額相当額には賞与も含まれるので、賞与の支給額次第で①の在職老齢年金の停止額が変わることがあります。60歳台前半の再雇用者に厚めの賞与を出すと、本人の手取りが想定より減ってしまうケースがあるんです。
山田
賞与を増やしたつもりが、実は年金の停止で相殺されちゃうってこともあるんですね。
木村先生
そうなんです。逆に、月々の給与と賞与のバランスを調整することで、在職老齢年金の停止を抑えながら手取り総額を最大化する設計も可能です。ただしこれは高年齢雇用継続給付金の賃金低下率にも影響するので、①と②の両方を見ながら設計する必要があります。
給与設計で確認したいポイント
- 賞与のタイミング: 標準賞与額は直近1年間分が総報酬月額相当額に反映される
- 賃金低下率のライン: 60歳到達時賃金の64%(新ルール)または61%(経過措置)を下回ると給付率・停止率が上限になる
- 65歳到達月: 給付金との調整が終わるため、その前後で手取りの計算方法が変わる
山田
このあたりは総務だけじゃなくて、本人にもちゃんと説明してあげたほうが良さそうですね。
木村先生
そうですね。特に再雇用契約を結ぶタイミングで「月給をいくらにするか」を決める会社は多いと思いますが、そのときに①と②の両方を意識できているかどうかで、本人の手取り感がかなり変わります。月給を少し下げて賞与に回す設計にすると、月々の総報酬月額相当額が下がって①の支給停止が緩和される一方、賃金低下率が上がって②の給付率・停止率が下がることもあります。逆に月給を高めに設定すると、①の停止が増えるかわりに、賞与を柔軟に使えるという面もあります。どちらが有利かは基本月額や標準報酬月額の水準によって変わるので、一律の正解はないというのが実務上の感覚です。
山田
なるほど、ケースバイケースで試算してみないとわからないんですね。
木村先生
はい。ですから今日紹介したAさん・Bさんの試算のように、対象社員ごとに①と②を分けて数字を出してみることをおすすめします。表計算ソフトに計算式を組んでおけば、給与改定のたびに何度でも使い回せますよ。
基本情報まとめ
木村先生
ここまでの内容を表にまとめておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 高年齢雇用継続給付金の対象者 | 雇用保険の被保険者期間5年以上、60歳以上65歳未満で賃金が60歳到達時の75%未満に低下した一般被保険者 |
| 給付金の支給率 | 2025年4月1日以降60歳到達:最大10% / 2025年3月31日以前60歳到達:最大15%(経過措置) |
| 年金の追加支給停止率(②) | 2025年4月1日以降60歳到達:標準報酬月額の最大4% / 経過措置対象者:最大6% |
| 在職老齢年金の支給停止基準額(①) | 2026年度は月65万円(2026年4月施行の法改正で月51万円から引き上げ) |
| 給付金の支給対象期間 | 60歳到達月から65歳に到達する日が属する月まで |
| 65歳到達後の調整方法 | 高年齢雇用継続給付金との調整はなくなり、在職老齢年金(65万円基準額)のみで判定 |
| 管轄省庁・実施機関 | 厚生労働省(雇用保険給付の制度所管)/日本年金機構(年金の支給停止)/ハローワーク(給付金の申請窓口) |
| 公式ページ | https://www.nenkin.go.jp/ |
山田
これだけ見ると、①と②で見る材料も、変わるタイミングも全然違うんだってよくわかります。
似た制度との違いを整理する
木村先生
関連する制度もいくつか押さえておくと理解が深まります。まず在職老齢年金そのものの基本ルールは在職老齢年金(働きながら年金):65歳未満・以上の支給停止基準と受給額への影響で解説しています。今日話した②の追加停止は、この在職老齢年金の仕組みの上に乗ってくる話です。
山田
2026年の基準額引き上げについても、別の記事がありましたよね。
木村先生
はい、在職老齢年金(2026年4月改正):支給停止基準額の引き上げで変わる手取りと手続きで詳しく扱っています。今日の記事の①の部分と合わせて読むと、基準額がどう変わったかがつかみやすいはずです。
山田
高年齢雇用継続給付金そのものについても、もっと詳しい記事がありますか?
木村先生
雇用保険 高年齢雇用継続給付金:60歳以降に賃金が下がった場合の給付制度と2025年改正で支給要件や申請の流れをまとめています。今日の②の計算は、この給付金を受け取っていることが前提になるので、あわせて確認しておくと安心です。
山田
特別支給の老齢厚生年金についても関連しますよね。
木村先生
そうですね、特別支給の老齢厚生年金:65歳前に受け取れる年金の請求方法と在職中の支給停止も参考になります。60歳台前半で受け取る年金そのものの仕組みを押さえておくと、今日の話がさらに整理しやすくなります。定年後の再雇用手続き自体は定年再雇用・同日得喪の手続き:60歳定年後に再雇用で社会保険料が下がる仕組みと申請方法にまとめてありますので、こちらも合わせてご覧ください。
よくある質問
山田
最後に、社員からよく聞かれそうな質問をいくつか聞いてもいいですか?
木村先生
もちろんです。どうぞ。
山田
まず、①の在職老齢年金の支給停止額と②の給付金による停止額って、どちらか大きいほうだけが適用される、みたいなことはないんですか?
木村先生
ありません。①と②はそれぞれ独立に計算して、最後に合算します。どちらか一方だけが優先されるという仕組みではないので、必ず両方を計算してください。
山田
高年齢再就職給付金の場合も同じ計算順序になりますか?
木村先生
はい、高年齢雇用継続基本給付金と高年齢再就職給付金は、どちらも年金への追加停止の対象です。支給対象期間の考え方だけ違って、再就職時の基本手当の支給残日数が200日以上なら再就職日の翌日から2年、100日以上200日未満なら1年が上限になります。
山田
給付金の申請を途中でやめてしまった場合、年金の停止はどうなるんですか?
木村先生
初回の申請が認められたあと、その後の申請をしなかった場合でも、給付金の申請が可能な期間中は年金の一部支給停止が解除されません。退職したとき、65歳に到達したとき、あるいは給付金の不支給決定などの情報が提供されたときに、遡って支給停止が解除される仕組みです。
山田
経過措置の対象かどうかは、会社側でどうやって確認すればいいですか?
木村先生
本人の生年月日から60歳到達日(60歳の誕生日の前日)を割り出して、それが2025年3月31日以前か2025年4月1日以降かを見るだけです。60歳到達日がちょうど2025年3月末をまたぐ社員がいる部署は、人事台帳に到達日を明記しておくと、給付金の申請書類を作るときにも迷わずに済みます。
山田
賞与を年度の途中で増額した場合、①の停止額はいつから反映されるんですか?
木村先生
総報酬月額相当額は直近1年間の標準賞与額を月割りする仕組みなので、賞与を支給した月の翌月から①の支給停止額に反映されます。総報酬月額相当額が変わった月、または退職日の翌月から支給停止額が見直されるというルールなので、賞与のタイミングを社員に伝えるときは、この反映時期も一緒に説明してあげてください。
関連書類・リンク
木村先生
最後に公式の参照先をまとめておきます。制度の詳細や早見表は、必ず一次情報で確認してください。
| 内容 | リンク |
|---|---|
| 年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整(日本年金機構) | https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/koyou-chosei/20140421-02.html |
| 在職老齢年金の計算方法(日本年金機構) | https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/zaishoku/20150401-01.html |
| 令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します(厚生労働省) | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00043.html |
| Q&A~高年齢雇用継続給付~(厚生労働省) | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158464.html |
山田
①と②を分けて考えて、65歳で調整のしかたが変わる。この2点さえ押さえておけば、社員から聞かれても慌てずに説明できそうです。今日もありがとうございました!
木村先生
どういたしまして。対象になりそうな社員がいたら、まずは本人の60歳到達日と、いまの標準報酬月額を確認するところから始めてみてください。