保険料・標準報酬
同月得喪の保険料計算と返還請求|入退社が同月の場合の実務
厚生労働省公式案内 →
同月得喪とは何か
山田
木村先生、先月うちで入社した人が同じ月のうちに退職してしまったんですよ。社会保険の保険料ってどうなるんでしょう?
木村先生
それが「同月得喪」の典型例ですね。ある月に社会保険の資格を取得して、同じ月のうちに資格を喪失する、つまり入社と退社が同じ月に起きた場合を指します。
山田
例えば10月1日に入って10月20日に辞めた、みたいなケースですか?
木村先生
まさにそうです。10月1日が資格取得日、10月21日が資格喪失日(退職翌日)で、両方とも10月の中にありますよね。これが同月得喪です。
山田
ちょっと待って、「資格喪失日は退職翌日」ってどういうことですか?
木村先生
社会保険の資格喪失日は退職日の翌日になるんです。10月20日退職なら資格喪失は10月21日。10月中に喪失が起きているので同月得喪になります。
山田
月末退職だと違うんですか?
木村先生
そうなんです。たとえば10月31日退職だと、資格喪失日が11月1日になります。喪失が11月になるので、同月得喪は成立しません。保険料の扱いも変わってくるので、退職日が月末かどうかは実務上とても重要です。
山田
ということは、月末最終日退職は別の話なんですね。わかりました。じゃあ同月得喪が発生したとき、保険料はどうなるんですか?

厚生年金と健康保険、保険料の扱いが「真逆」
木村先生
ここが同月得喪の最大のポイントなんですが、厚生年金保険料と健康保険料では取り扱いがまったく違います。
山田
えっ、同じ社会保険なのに違うんですか?
木村先生
そうなんです。まず共通点から言うと、社会保険料は日割り計算という概念がなく、月単位で計算します。同月得喪では「資格取得月」の保険料が1か月分発生するのが原則です。
山田
10日しかいなくても1か月分払うんですか! それはきついですね。
木村先生
ただし、厚生年金保険料については2015年10月の法改正で救済措置が設けられました。一方、健康保険料については改正後も救済措置がないままです。
山田
厚生年金だけ特別なんですね。具体的にどう違うんですか?
木村先生
表にまとめますね。
| 保険の種類 | 同月得喪時の保険料 | 還付の有無 |
|---|---|---|
| 厚生年金保険 | いったん1か月分を徴収・納付 | 条件を満たせば還付あり |
| 健康保険(協会けんぽ等) | 1か月分を徴収・納付 | 還付なし(どのケースでも) |
| 介護保険料(40歳以上) | 健康保険と同じ扱い | 還付なし |
山田
健康保険は1か月分払ったままってことですか。それは会社も従業員もつらいですね。
木村先生
おっしゃる通りです。ですから同月得喪が起きたときに「全額戻ってくる」と思い込まないことが大切ですね。厚生年金だけが対象という認識を持っておいてください。
山田
厚生年金の還付条件って何があるんですか?
木村先生
同月内に別の厚生年金または国民年金の資格を取得することが条件です。転職して新しい会社の厚生年金に入った場合も、退職後に国民年金に切り替えた場合も、どちらも対象になります。
山田
転職先でもまた社会保険に入れば還付されるんですね。国民年金でもいいと。でも、20歳未満の方や60歳以上の方はどうなるんですか?
木村先生
20歳未満の方や60歳以上の方、あるいは海外居住者の方は、同月内に別の年金制度に加入しないケースも多いため、還付されないことがあります。そのあたりは個別に確認が必要です。
厚生年金保険料が還付される条件
- 条件: 同月内に他の厚生年金または国民年金の資格を取得すること
- 還付対象: 会社負担分と本人負担分の両方
- 還付されないケース: 20歳未満・60歳以上・海外居住者で別の年金資格取得がない場合
- 健康保険料は対象外: 還付制度がないため1か月分がそのまま確定する
2015年10月改正で何が変わったか
山田
先ほど2015年10月の改正って言ってましたよね。改正前はどうだったんですか?
木村先生
改正前、つまり2015年9月以前は、同月得喪が発生した場合に厚生年金保険料が二重に徴収される問題がありました。
山田
二重徴収? どういうことですか?
木村先生
たとえばAさんが10月1日に入社してB会社の厚生年金に加入し、10月15日に退職。その後すぐに転職してC会社に入り10月から厚生年金に加入した場合、B会社でも10月分の厚生年金保険料が発生し、C会社でも10月分が発生するわけです。
山田
えっ、1か月分の保険料が2か所で取られるんですか? それは納得できないですよね。
木村先生
そこで2015年10月の厚生年金保険法の改正で、救済措置が設けられました。同月内に別の年金制度に加入した場合は、先に喪失した厚生年金保険料が後から還付される仕組みになったんです。
| 時期 | 仕組み |
|---|---|
| 2015年9月以前 | 同月得喪でも厚生年金保険料が確定。還付なし(二重負担) |
| 2015年10月以降 | 同月内に別の年金資格取得があれば、前の会社の厚生年金保険料が還付される |
山田
それは大きな改正でしたね。じゃあ今はちゃんと戻ってくるんですね。
木村先生
ただし「自動的に戻ってくる」わけではなく、年金事務所から会社へ通知が来て、その後に手続きが必要です。そこが実務上の注意点になります。次に手続きの流れを見ていきましょう。
会社側の手続きフロー
山田
年金機構からの通知というのは、具体的にどんな書類が来るんですか?
木村先生
年金事務所から会社に「厚生年金保険料の還付についてのお知らせ」という文書が送られてきます。元従業員が転職先や市区町村で年金資格の手続きを済ませると、年金機構がそれを把握して会社に連絡してくれる流れです。
山田
通知が来るまでどのくらいかかりますか?
木村先生
通常は退職してから2〜3か月程度かかることが多いです。早い場合も遅い場合もありますが、すぐには来ないと思っておいてください。
山田
2〜3か月ですか、意外と時間がかかりますね。その間、会社はどうすればいいんですか?
木村先生
通知が来るまでの間は特に何もする必要はありません。通知が届いたら、記載内容を確認して手続きに入ります。
手順
- 同月得喪が発生 → 通常どおり当月の厚生年金保険料・健康保険料を給与から控除
- 翌月末までに保険料を年金事務所・健康保険組合へ納付
- 元従業員が転職先・市区町村で年金の加入手続きを行う
- 年金機構が別の年金加入を確認 → 会社に「厚生年金保険料の還付についてのお知らせ」を送付
- 会社が還付方法を選択(現金還付 or 翌月以降の保険料との相殺)
- 還付された本人負担分を元従業員に返金
山田
6番の「元従業員への返金」は会社が直接やるんですか?
木村先生
そうです。年金機構から元従業員に直接還付されることはなく、必ず会社経由で返金することになります。元従業員がすでに退職しているので、退職後の振込先口座を事前に確認しておくと手続きがスムーズです。
山田
それは盲点ですね。退職の手続きのときに「後で返金する可能性があるので振込先を教えてください」って伝えておくといいですね。
木村先生
まさにその通りです。同月得喪が起きた時点で、元従業員に「後日、厚生年金保険料の一部が還付される可能性があります。その場合は振込先口座をお知らせします」と一言添えておくと、後からの連絡がしやすいですよ。

ケース別の保険料処理パターン
山田
ケースによって処理が変わるって聞いたんですが、主なパターンを整理してもらえますか?
木村先生
大きく3つのパターンがあります。
パターン1:同月内に転職(新しい会社の厚生年金に加入)
木村先生
最も多いパターンです。A社を10月20日退職→10月21日からB社入社という場合、同月内にB社の厚生年金に加入するので、A社の厚生年金保険料が後から還付されます。健康保険料は還付されません。
山田
転職で次の会社がすぐ決まってるケースですね。
パターン2:退職後に国民年金に加入
木村先生
退職後にすぐ転職せず、市区町村の窓口で国民年金(第1号被保険者)に加入した場合も、同月内であれば厚生年金保険料が還付されます。
山田
転職先が決まってなくても、国民年金に切り替えれば戻ってくるんですね。
木村先生
はい。ただし国民健康保険に切り替えても健康保険料は返ってこないので、そこは区別して覚えておいてください。
パターン3:退職後に配偶者の扶養に入る
木村先生
退職後すぐに配偶者の会社の健康保険の扶養(第3号被保険者)に入った場合も、国民年金第2号被保険者ではなく第3号被保険者という形で年金制度の切り替えが起きますので、厚生年金保険料は還付対象になります。
山田
扶養に入るパターンでも対象なんですね。
| ケース | 厚生年金保険料 | 健康保険料 |
|---|---|---|
| 同月内に転職(厚生年金加入) | 還付される | 還付されない |
| 退職後に国民年金加入 | 還付される | 還付されない |
| 退職後に配偶者の扶養(第3号) | 還付される | 還付されない |
| 月末退職(翌月1日資格喪失) | 同月得喪非該当 | 同月得喪非該当 |
⚠️ 健康保険料は絶対に還付されない
健康保険料については、転職して新たに健康保険資格を取得しても、国民健康保険に加入しても、いかなるケースでも同月得喪による還付制度はありません。厚生年金保険料と混同しないよう注意してください。
給与計算ソフトでの対応
山田
給与計算ソフトを使っているんですが、同月得喪の場合に特別な操作が必要ですか?
木村先生
まず退職月の給与計算では、通常どおり厚生年金保険料と健康保険料の両方を控除して処理します。「同月得喪だから引かなくていい」という設定は誤りです。
山田
最初はとりあえず通常通り引いて納付するんですね。
木村先生
そうです。還付が来るかどうかはその後の話なので、退職月は通常計算でOKです。問題は還付通知が来たときで、そのタイミングで手動の仕訳が必要になることがあります。
山田
具体的にはどんな処理をするんですか?
木村先生
年金事務所から還付通知が来たら、まず還付方法を「現金還付」か「翌月以降の納付額との相殺」かを選択します。その後、本人負担分を元従業員の口座に振り込みます。
山田
仕訳的には「法定福利費」の取り消しになるイメージですかね。
木村先生
そうですね。還付を受けた金額のうち会社負担分は法定福利費の減額、本人負担分は預り金の取り崩しで処理するのが一般的です。給与計算ソフトによっては同月得喪の還付処理を自動化している機能もありますが、手動対応が必要なものもあるので、使っているソフトの仕様を確認しておくとよいです。
給与計算・会計処理のポイント
- 退職月の計算: 厚生年金・健康保険ともに通常通り控除して納付
- 還付通知受取後: 現金還付か保険料相殺かを選択して手続き
- 元従業員への返金: 本人負担分のみを元従業員の口座へ振込
- 会計仕訳: 会社負担分は法定福利費の減額、本人負担分は預り金の取り崩し
- ソフト対応: 使用している給与計算ソフトで同月得喪の自動処理対応を確認
よくある疑問と注意点
山田
同月得喪でよくあるトラブルって何ですか?
木村先生
一番多いのは「元従業員と連絡が取れなくなった」問題です。退職から2〜3か月後に還付通知が来ても、その時点ですでに住所変更していたり、連絡先が変わっていたりして返金できないケースがあります。
山田
それは困りますね。対策はありますか?
木村先生
退職手続きの時点で緊急連絡先と振込先口座を別途記録しておくことが一番有効です。退職届と一緒に「同月得喪が発生した場合の連絡先・返金先口座確認書」みたいなシートを用意しておくと実務がラクになります。
山田
なるほど。他に注意点はありますか?
木村先生
元従業員が転職先の年金加入手続きを「自分で」しないといけない場合があります。特に短期アルバイトなど、転職先が社会保険適用外の小規模事業所だと厚生年金に入れないため、自分で市区町村に行って国民年金に加入しないと還付が発生しません。
山田
元従業員が手続きを忘れてしまうと、会社も還付を受けられないんですね。
木村先生
そうです。ですから退職時に「転職先または市区町村で必ず年金の切り替え手続きをしてください。それをしないと双方に不利益が生じます」と伝えておくことが大切です。
山田
採用が多い会社では同月得喪も発生しやすいから、しっかり仕組みを作っておく必要がありますね。手続きの期限とかはありますか?
木村先生
年金事務所からの還付通知に記載された内容に従って回答・手続きをすることになりますが、通知が来た際に速やかに対応する必要があります。放置すると還付額が保険料に相殺されてしまうこともあるので注意してください。
⚠️ 元従業員と連絡が取れなくなるリスク
同月得喪が発生した月から2〜3か月後に還付通知が届きます。この時点で元従業員の連絡先や口座情報を把握していないと、返金処理ができなくなります。退職手続き時に必ず連絡先・振込先口座を確認しておきましょう。
基本情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度 | 社会保険の同月得喪 |
| 対象 | 社会保険適用事業所のすべての被保険者 |
| 厚生年金保険料の還付改正 | 2015年(平成27年)10月施行 |
| 還付の対象 | 厚生年金保険料(会社負担分・本人負担分) |
| 還付対象外 | 健康保険料・介護保険料 |
| 管轄 | 厚生労働省 |
| 実施機関 | 日本年金機構(年金事務所) |
| 公式ページ | 日本年金機構 同月得喪FAQ |
問い合わせ先
管轄の年金事務所または日本年金機構へお問い合わせください。
- 日本年金機構: 同月得喪FAQ
- ねんきんダイヤル: 0570-051-165(月〜金 8:30〜19:00 / 第2土曜 9:30〜16:00)
関連する社会保険手続き
山田
同月得喪に関係する他の手続きも教えてもらえますか?
木村先生
同月得喪は社会保険(健康保険・厚生年金)被保険者資格取得届と社会保険(健康保険・厚生年金)被保険者資格喪失届の両方が同じ月に発生する状況です。まずこの2つの届出を適切に行うことが前提になります。
山田
資格取得届を出してすぐ喪失届も出すんですね。
木村先生
そうです。また、定年退職後に再雇用する「定年再雇用・同日得喪」は名前が似ていますが別の制度で、こちらは同日に資格喪失と資格取得を行うことで保険料を見直す仕組みです。混同しないよう気をつけてください。
山田
「同月得喪」と「同日得喪」、漢字1文字違いでまったく別の制度なんですね。
木村先生
まさにそうです。標準報酬月額の仕組みと保険料計算を理解しておくと、同月得喪の保険料額がより具体的に把握できます。また、退職後に国民健康保険や国民年金に切り替える場合は転職・就職時の国民健康保険から健康保険への切り替えの記事も参考になります。
保険料の具体的な計算例で確認する
山田
実際にいくら返ってくるのか、具体的な金額でイメージしたいんですが。
木村先生
わかりました。標準報酬月額20万円の従業員が10月に同月得喪した場合を例に考えてみましょう。2026年度の東京の厚生年金保険料率は18.3%なので、10月分の厚生年金保険料は合計で36,600円になります。
山田
36,600円のうち、会社と本人でどう分けるんですか?
木村先生
折半なので、会社負担分が18,300円、本人負担分が18,300円です。同月得喪が成立して還付される場合は、この36,600円(両方合わせた全額)が返ってくる計算です。
山田
3万6千円以上が戻ってくるのか、それはインパクトがありますね。
木村先生
一方、健康保険料(協会けんぽ、東京2026年度9.98%)の場合は同じ標準報酬月額20万円で計算すると合計19,960円になりますが、こちらは同月得喪でも全額が確定します。戻ってきません。
山田
厚生年金だけが戻って、健康保険は戻らない。両方合わせると5万円以上の保険料が発生するけど、戻ってくるのはそのうちの厚生年金分だけということですね。
木村先生
そうです。同月得喪は会社にとっても従業員にとっても「損失が出る」状況で、特に健康保険料については制度的な救済がない点が課題になっています。採用・退職管理を丁寧に行うことが、こうしたコストを最小化する一番の近道です。
| 保険の種類 | 標準報酬月額20万円の場合(2026年度東京) | 同月得喪時の還付 |
|---|---|---|
| 厚生年金保険料(会社分) | 18,300円 | 還付される |
| 厚生年金保険料(本人分) | 18,300円 | 還付される |
| 健康保険料(会社分) | 9,980円 | 還付されない |
| 健康保険料(本人分) | 9,980円 | 還付されない |
山田
「入社初日に辞めても、健康保険料は会社も1か月分負担する」ということなんですね。採用担当として、この事実は頭に入れておかないといけないですね。
木村先生
採用コストの一部として考えておくことが大切ですね。なお、実際の保険料額は標準報酬月額の等級によって変わります。標準報酬月額の仕組みと保険料計算の記事で詳しく解説しているので、あわせて確認しておくと理解が深まります。
退職手続きとセットで押さえる実務チェックリスト
山田
同月得喪が発生したとき、退職手続きとセットでやっておくべきことをまとめてもらえますか?
木村先生
チェックリストにしましょうか。同月得喪が疑われる退職が発生したら、以下を意識しておいてください。
木村先生
まず退職当日〜翌日には、「被保険者資格喪失届」を5日以内に年金事務所へ提出する必要があります。社会保険(健康保険・厚生年金)被保険者資格喪失届の届出ですね。
山田
資格喪失届は通常の退職でも必要ですよね。同月得喪でも変わらないですか?
木村先生
基本的には同じです。ただし、資格取得届と資格喪失届の両方を同月中に提出することになるので、「これは同月得喪です」という認識を持って処理することが大切です。
木村先生
次に、退職時に従業員から必ず確認しておきたい情報が3つあります。一つ目は転職先の有無と予定入社日。二つ目は還付があった場合の振込先口座情報。三つ目は退職後の連絡先(住所・電話番号)です。
山田
それを退職手続きのチェックシートに入れておくといいですね。
木村先生
給与計算担当者には「退職月は通常通り全額控除・納付」「還付通知が来たら速やかに処理」という2ステップを徹底してもらうことが重要です。また、還付通知が来るまで2〜3か月かかることを踏まえ、台帳やシステム上に「同月得喪フラグ」をつけて管理しておくと、通知が来たときに素早く対応できます。
山田
月が変わると記憶が薄れるので、記録として残しておくのは大事ですね。
よくある質問
山田
最後に、よくある質問をまとめてもらえますか?
木村先生
よくいただく質問をまとめますね。
山田
まず、試用期間中に辞めた場合も同月得喪になるんですか?
木村先生
なります。試用期間中であっても社会保険に加入していれば同月得喪が成立します。試用期間だからといって保険料の取り扱いが変わるわけではありません。
山田
試用期間でも関係ないんですね。元従業員が転職先で社会保険に加入しなかった場合はどうなるんですか?
木村先生
転職先が社会保険適用外の場合(従業員5人未満の個人事業所など)は、本人が市区町村で国民年金の手続きをしないと還付が発生しません。手続き漏れがないよう、退職時にしっかり案内が必要です。
山田
元従業員に任せきりにできないってことですね。還付通知が来ない場合はどうすればいいですか?
木村先生
元従業員が転職先・市区町村で年金の切り替え手続きを行っていない場合は通知が来ません。数か月経っても通知が来ない場合は、管轄の年金事務所に問い合わせて確認するのが確実です。
山田
自分から確認しに行くことも大切なんですね。同月得喪、奥が深いですね。
木村先生
保険料が「2重になる可能性がある」という問題を2015年の改正で手当てした制度ですが、健康保険料は今も還付されない不公平さが残っています。実務上は「厚生年金だけ還付、健康保険は還付なし」を基本として、退職時の丁寧な案内と連絡先の確保を徹底することが大切ですよ。